南山手レストハウス(旧清水氏住宅) (19 画像)
この建物は、1865(慶応元)年から1867(慶応3)年頃に建てられた洋風住宅であるが、建物の設計者、施工者は共に不明であるが、建築主はグラバー商会もしくはその関係者と考えられ、施工後は明治初年ころまでトーマス・B・グラバーの弟アレクサンダー・B・グラバーが居住していたことが知られている。
その後、ジャーディン・マセソン商会のライル・ホームや、鉱山技師J・M・ストッダートなど、長崎に居留する外国人の住宅として使用された。1899(明治32)年の居留地制度廃止後は、たびたび所有者が移り変わったが、平成4年度に長崎市が公有化し、現在に至っている。
建物は、正面(玄関側)を長崎港に面した北側に向けている。平面形式は、中廊下型で、中央に玄関室と廊下を設け、左右に主要室を2室ずつ配している。外壁は、砂岩系の石材(天草石)を用いた石造で、重厚感のある初期洋風住宅の容姿を示している。正面は石柱を、東側は木柱を用いており、この石柱と木柱の併用は、旧グラバー住宅等グラバー園内にある重要文化財3棟(旧グラバー住宅旧リンガー住宅、旧オルト住宅)には見られない独自の特徴であり、大変価値の高い。東側ベランダは、列柱間に木製欄間(スパンドレル)、擬宝珠で飾られている。このほか、引き分け式となった鎧戸も特徴のひとつで、長崎では数少ないものである。

・長崎県長崎市南山手町7-5
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